
Amazon.co.jp: 滝山コミューン一九七四: 本: 原 武史
否応なしに小学校を“思い出させられてしまう”本。著者から見て30年以上前の話なんだけど、記憶や会話のディティールが非常に細かい!どれだけ印象的でも、いち小学校の年間行事について当時の気持ちを交えつつ書き上げるというのは、相当に難しい作業なはず。そういったディティールを読むうちに、思い出そうとか考えた事もないような事とかがフラッシュバックしてくる。年代は違っても体験としては似たものなんだろうな。
確かに「班」ってあったなぁとか…今となっちゃ言葉自体を忘れかけてる。そういった学級の統治方法は教師によって全然違ったりして不思議に思う事も多かった。きっと当時の担任の先生達も色々と文献など読みながら試行錯誤していたんだろうな…そう考えると何か危うい。とはいえ教育に正解なんて無いから、常に実験の場になるというのもわかる。
中2の時、担任の独断で社会科がいきなりテスト一切無し、自由研究&レポート提出というスタイルになった事がある。父兄の猛反発には覚悟を決めつつもさすがに受験生相手には無理、という事で受け持ちが中2の時に絶対にやりたかったんだろうな(ちなみに中3も同じ担任)。成績表で初めて「2」をもらって、これが意外と嬉しかったっけ。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687): 梅田 望夫
タイトル通り、今どう働くか?というテーマがすっきりまとまった本。「」でくくられたキーワード、学習の高速道路/けものみち/新しい職業/もうひとつの地球/etc…が、おそらく誰もが納得できるレベルまで練られていて、この辺の概念を得るだけでも読んで損は無いんじゃないかと。この本自体が一つの「高速道路」かもしれない、というか「それを書いてやる!」という気合いを感じます。
「ウェブ進化論」の時に驚いたのがその書評の量とレスポンスで、ある意味「その反応を読むために読む本」としてヒットしたところもあると思う。元々ベストセラーや人気のTV番組などはそういう「会話のプラットフォーム」的な意味をもっているはずだけど、仕掛けが何も無いところから「祭り」になっていくのが目に見えたのが面白かった。今回の反応はそこまで熱くは無かったけど、やはり多くの人に読まれて今の共通認識として使われるのではないかと。
「ウェブ時代をゆく」という感覚は、やはり「Web前」世代のものだよな。逆に考えると「Web後」の人間には「ウェブ時代」でも何でもない当たり前の世界。これも何だかすごい事だ。

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF 262): カート・ヴォネガット・ジュニア,浅倉 久志
カート・ヴォネガットを初めて読む。今年の春に亡くなった時のブログ界隈での取り上げられ方が凄くて、ほ〜そういう人だったのかすげぇな、みたいな知識は得たんだけど、なかなか買わなかった。多分表紙のせいかも…というかガキの頃からそれが原因で読まなかったような気がする…。で、読んでみたら単純にすごい面白い“お話”だった。SF的な知識とか前提とかは全く不要。これは子供の頃に読んだら良かったなぁと。でもまぁいい年こいてても良い景色が見えたよ。

Amazon.co.jp: ヤバい経済学 [増補改訂版]: 本: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
これ結構人気のあった本で、随分前に図書館に予約した“らしい”のがやっと回ってきた(もちろん改訂版じゃなかった)。
経済学と言ったらお金の学問という感じだけど、この本に書かれている事は社会学とか統計学のイメージに近い(?まぁどれも内容は知らないが)。ま、細かい事はわからないけど、単純に読み物として面白い。書かれているのは、例えばアメリカの犯罪発生率が減った最大の理由は妊娠中絶を認めた事とか、相撲で八百長が発生する理由、みたいな話。
後半では名前は子供の将来に影響を与えるか?を分析していて、そこに載っている「真っクロい女の子の名前トップ20」「親が低所得(高学歴)の白人家庭における女の子の名前トップ20」みたいなリストが面白い。別に最新リストってわけでもないんだけども。で、何が面白いかと言うと、どの名前がカッコいいとか全然わからないところ。有名人の名前とかはダサい方だったりする。日本に置き換えてみりゃ確かにそうだよな。そして同じく、新しい名前がどんどん作られてるらしい事。「親の教育水準が高い白人の男の子の名前トップ20」によると、一位は「Dov」ドヴ。二位は「Akiva」…アキーヴァ!?それはともかく、弊害として痛い名前も増えてるようで…これも同じだな(笑)
結論としては影響は無いみたい(ホントに?)。まぁ親の状態と子供への期待度が見事に表れるものではあるらしい。(※もちろん名前に込めた意味とかの話じゃなく、数量的な分布のどこに位置する名前かって事。)