『方丈記』に著者の戦争体験などと重ねつつ、そこから鴨長明という謎の人物を読み解いていく、という本。方丈記の原文や和歌に引っかかるものの、現代語のフォローは入るので一応は大丈夫です。とは言え、その辺の時代に対する基本的な知識がなってないので、ぼんやりとした印象のまま読み終えた感もあります。
方丈記が書かれた当時は、鎌倉時代後期は過去の歌から得た印象から歌を作ったりする「本家取り」とか、数百年前の文体のみに限定して歌を作ったりとか、技巧的な芸術が流行していたようで、鴨長明はその辺りに対するアンチテーゼをわざと紛れ込ませたり、ジャーナリスティックな視点で書いたりした人みたいですね。単に「無常観」だけの人では無かった、と。
そういった技巧的な芸術の事を“高度に抽象化された芸術”などと書いてあるんですが、これ、なんとなく今の「萌え文化」に通じるのではないかと。まぁ“萌え”という言葉を正確に把握してるわけではないですが、単に○○が好きだとか肉体的なフェティシズムを指すというよりは、“自分の嗜好の表明”的なメタ視点な感覚とか、「本家取り」的にそのジャンルの中でループして表現の熟成が進んでいっている感じとか。
どこかで読んだ宮崎駿監督のインタビューに出てきて古本で買っておいたもの。長期間風呂で読んでたのでグニャグニャ。半水没すること数回。

今日マチ子先生といえば、ほとんど毎日?更新してる「センネン画報」が、ほんとにシャープで素晴らしい作品なんですが(でもよくわからん時もw)、ストーリーものの「みかこさん」もまたいい。毎週読んでます。
しかし新刊の漫画買うなんて本当に久しぶり。今のところ全話Webサイトで読めるので、それでも全然OKなんですが。元々無料だからこそ逆にお金を払いたいってのも少しあるのかも。
この漫画に関してはWebと印刷で、少しイメージが違って見える気がします。惜しいのは各話が連続して刷られているところ。間に1枚白紙を挟むともっと良くなるんじゃないかな。でももちろん、印刷物ならではの良さはありますね。おまけの4コマもついてるし(これ、もしかすると自分の送った感想が反映されたのかも)。
ちなみにどんな人が買うんだろ?と、しばらく売り場を見てたら100%女性でした。サイン会の整理券がもらえたんだけど…行く勇気はあるのか?(笑)
『デザインのデザイン』に続き、原 研哉著『白』。表紙も色温度上がってさらに白い、綺麗な本です。白とはどんな色なのかを紙を中心に様々な切り口から考察しています。
右から読むと日本語、左から1/3が英語の和英スプリット本(?)なので、それほど読む部分は多くないですがその分切れ味鋭く、白という色を語るにはしっくりきてます。鋭いとは言っても、やはりものすごくわかりやすく言語化してくれているのは前作から変わらず。
内容的には「理解」とかそういう事ではないので、同じイメージを描けて共感できるかどうか?という事なんだけど、読んでみれば白という色をより強く意識できるはずです。
ある対象について深く考えることによって、その対象が、まるで初めて見るかのような新鮮さを取り戻すことがある。
この本はそういう本だし、表現やデザインというのは元々そういう事であり、白はその新鮮さを表現しうる色なんじゃないか(それだけじゃないけど)…という本。
銀閣を見に行きたくなる。
デザイン。今となっては漠然としすぎていてとらえどころが無い、せめて対象をはっきりさせてくれないと…みたいな言葉です。と、何となく、誰ともなくに思わされてしまってますが、本来はこの一語で全部表現してしまって良いのかもしれません。この本はそこにストレートに向き合っていて、それを言語化する事にかなり成功しています。あまりにすんなり入ってくるので、当たり前じゃん!とか感じるくらい。今後デザインを学ぶ/論じる上でのベースにして良い本なんじゃないかと思います。
もう一つ、今後の日本はどうあるべきか?という軸があって、言葉は全然違うけども要約すると、日本という国の性質/立ち位置を考えると、デザインの果たす役割は最重要である。モノづくりのレベルはその母集団(日本)のレベルに比例する、がゆえに日本人の「モノを見る目」のレベルをどんどん引き上げていかなければいけないし、デザイナーはそういうものを作らなければいけない。逆に日本人の「目」のレベルが下がれば、デザインというものが商品である以上、その「目」に心地よいものが売れるわけで、必然的にデザインのレベルが下がっていく、というような事です。
実は100円ショップがどうにも嫌いで(笑)。もちろん100円がお得な商品を買うには良いし、面白い商品を発見できたりもするんだけど、それでもあの存在は非常に残念。こんなところに入っちゃだめだ!と、こんなもん買っちゃだめだ!と言いたくなる。という事はまぁたまには利用してるって事で(笑)…むしろ違う意味では好きというか。例えば100円ショップじゃないけどドンキは嫌いじゃないし、この辺もデザイン/編集/切り口の違いと言えそうです。
副読本に(笑)。コストパフォーマンスの高い本です。
原研哉氏が「もの書きの原田宗典氏」と「プロダクトデザイナーの深沢直人氏」に再読を勧められたという本。そのうち読んでみるつもり。