方丈記私記
『方丈記』に著者の戦争体験などと重ねつつ、そこから鴨長明という謎の人物を読み解いていく、という本。方丈記の原文や和歌に引っかかるものの、現代語のフォローは入るので一応は大丈夫です。とは言え、その辺の時代に対する基本的な知識がなってないので、ぼんやりとした印象のまま読み終えた感もあります。
方丈記が書かれた当時は、鎌倉時代後期は過去の歌から得た印象から歌を作ったりする「本家取り」とか、数百年前の文体のみに限定して歌を作ったりとか、技巧的な芸術が流行していたようで、鴨長明はその辺りに対するアンチテーゼをわざと紛れ込ませたり、ジャーナリスティックな視点で書いたりした人みたいですね。単に「無常観」だけの人では無かった、と。
そういった技巧的な芸術の事を“高度に抽象化された芸術”などと書いてあるんですが、これ、なんとなく今の「萌え文化」に通じるのではないかと。まぁ“萌え”という言葉を正確に把握してるわけではないですが、単に○○が好きだとか肉体的なフェティシズムを指すというよりは、“自分の嗜好の表明”的なメタ視点な感覚とか、「本家取り」的にそのジャンルの中でループして表現の熟成が進んでいっている感じとか。
どこかで読んだ宮崎駿監督のインタビューに出てきて古本で買っておいたもの。長期間風呂で読んでたのでグニャグニャ。半水没すること数回。
